NFLの2024シーズンが日本時間9月9日に開幕する。NFLはその均衡性から「パリティ・リーグ」とも呼ばれ、どのチームにも優勝のチャンスがある。昨季、カンザスシティ・チーフスは19年ぶりにスーパーボウル連覇を達成し、今季は史上初の3連覇を目指す。しかし、他チームも「ストップ・チーフス」を掲げ、例年以上に熱いシーズンが期待される。
QBパトリック・マホームズが万全で史上初の3連覇狙うチーフス
QBマホームズとTEトラビス・ケルシーのコンビは、試合の重要な局面で幾度となく勝利をもたらし、NFLの中でも随一の安定感を誇る。しかし、ケルシーが昨季中に膝の故障を抱えていたこともあり、彼の健康状態は大きな懸念材料だ。さらに、チーフスのランオフェンスは改善の余地があり、特にプレッシャーのかかる試合では、ケルシーが欠場した場合にどのように対応するかが注目される。それでも、マホームズの存在がチーフスを常に優勝候補に押し上げる要因となっている。
均衡した競争力がNFL最大の魅力の一つ
1990年以降、34シーズン連続で、前シーズンにプレーオフに出場していなかったチームのうち少なくとも4チームがプレーオフ進出を果たしている。昨季も、クリーブランド・ブラウンズやヒューストン・テキサンズなど6チームが新たにプレーオフに進出した。また、過去21シーズン中、20シーズンでプレーオフを逃した翌シーズンに少なくとも2チームが地区優勝を飾っているのだ。
中でも、テキサンズは、新人ヘッドコーチのデメコ・ライアンズと新人QBのC.J.ストラウドを中心に、前年の地区最下位から一気にAFC南地区を制覇し、プレーオフでも勝利を収めた。ストラウドは、新人にもかかわらず、冷静かつ的確なパスを次々に決め、チームの逆転劇を支えた。その勢いを引き継ぎ、今季も注目のチームとなるだろう。
ケイレブ・ウィリアムスら新人QBに注目
毎年注目したいのは、新人選手の台頭だ。先述した通り、昨季はテキサンズが新人QBのストラウドを擁して、AFC南地区を制覇し、前年の地区最下位から大きく変貌を遂げた。今年のドラフトで指名されたQBのうち、先発が予想されるのが、全体1位でシカゴ・ベアーズに指名されたケイレブ・ウィリアムス、2位のワシントン・コマンダーズに指名されたジェイレン・ダニエルズ、そして12位でデンバー・ブロンコスに指名されたボー・ニックスの3人だ。この若き司令塔たちが所属するチームは昨季にプレーオフを逃しているだけに、彼らの活躍次第では一気にプレーオフコンテンダーになる可能性もある。
キックオフの新ルール採用で劇的変化なるか
今年のNFLシーズンで特に注目されるのが、新ルールの採用だ。その中でも、キックオフのルール変更は試合に大きな影響を与えると予想される。キッキングチームがリターンチームの40ヤードラインに並び、リターンチームは35ヤードラインから30ヤードラインまでのセットアップゾーンに少なくとも9人が配置される。詳細はここでは控えるが、これにより、試合の展開が大きく変わり、特にキックオフリターンが勝負の分かれ目となるシーンが増えるだろう。
このように、2024シーズンも各チームが新たな戦力や戦術を駆使し、スリリングな試合が繰り広げられることが期待される。どのチームが新たな覇者となるのか、その行方に注目だ。