日本時間3月13日から4日間にわたり、ザ・プレーヤーズ選手権がアメリカ・フロリダ州で開催される。今年で51回目を迎えるこの大会は、PGAツアーのフラッグシップイベントとして行われる。ジョージア州で始まり、テキサスを経て、最終的にフロリダに定着したザ・プレーヤーズ選手権は、プロゴルファーたちにとって年間最大級のタイトルの一つを争う場となっている。大会の最後の3ホールは、例年大きな注目を集めますが、それだけではない。週末に進出した選手には、ツアー最高額の賞金総額2,500万ドルが用意されている。この注目度の高い大会に、日本からは松山英樹と久常涼が参戦する。
予想と推奨ベット
(オッズは海外ブックメーカー提供)
優勝予想(ベストベット): セップ・ストレイカ (+5000)
ストレイカは今、キャリア最高のゴルフを見せている。彼はすでにPGAツアーで複数回優勝し、ライダーカップにも出場したが、現在のプレーはさらにレベルアップしている。1月のアメリカン・エキスプレスで優勝して以降、彼の成績は 7位-15位-MC(予選落ち)-11位-5位。
2025年のスタート以来、ストレイカのT2G(ティー・トゥ・グリーン)スタッツはフィールド内でトップ5に入っている。ザ・プレーヤーズ選手権では、コースを積極的に攻めてスコアを伸ばせる選手が成功を収める。ストレイカの最近の活躍を考えれば、トッププレーヤーたちと互角に戦い、大きな配当をもたらす可能性を秘めた選手と言えるだろう。
トップ20入り予想(ベストベット): マイケル・キム (+280)
ストレイカと同様、キムも非常に好調。彼の直近の成績は、2位-13位-13位-6位-4位。過去5週間でOWGR(世界ランキング)が110位も上昇した。リスクを抑えつつ確実なベットを狙うなら、彼のトップ20入りはかなり有力な選択肢となるだろう。
ザ・プレーヤーズ選手権優勝オッズ
※オッズ+10000以下の選手のみ掲載。
選手 | オッズ |
スコッティ・シェフラー | +400 |
ロリー・マキロイ | +1100 |
コリン・モリカワ | +1400 |
ルードヴィッヒ・アベルグ | +1800 |
ジャスティン・トーマス | +2200 |
ザンダー・シャウフェレ | +2500 |
トミー・フリートウッド | +3000 |
松山英樹 | +3300 |
ラッセル・ヘンリー | +3500 |
シェーン・ローリー | +4000 |
パトリック・キャントレー | +4000 |
キーガン・ブラッドリー | +5000 |
セップ・ストレイカ | +5000 |
イム・ソンジェ | +5500 |
過去の優勝者の傾向
スコッティ・シェフラーがタイトル防衛に成功する前、過去の優勝者が前年の大会で記録した平均順位は29位。トップ16入りした選手はわずか1人で、ロリー・マキロイを含む3人の優勝者は前年に予選落ちしていた。シェフラーの優勝は順当にも見えるが、このデータを見ると、予想外の展開が起こる可能性も十分にある。
ザ・プレーヤーズ選手権を20回観戦した人も、2回しか観ていない人も、この大会には常に「波乱」がつきものだと感じるだろう。3月開催に戻ってからの優勝スコアの平均は16アンダー、予選カットラインの平均は+1.4。スター選手のみが勝利を手にできる大会といってもいい。過去の優勝者の大会前のオッズは+1500が平均値であり、3月開催になってから+1800以上のオッズで優勝したのはキャメロン・スミスただ1人。
2025年の傾向と優勝予想
2025年の「格上げイベント(elevated events)」では、エリートプレイヤーたちが優勝を独占している。すでに松山英樹、ロリー・マキロイ、ルードヴィッヒ・アベルグが最初の3つの「シグネチャースタート(主要大会)」でタイトルを獲得。さらに、コリン・モリカワが次の勝者になるかと思いきや、ラッセル・ヘンリーが勝利。ただし、彼も当時世界ランキング14位(現在は7位)であり、決して大穴とはいえない。このトレンドは、今回も続く可能性が高い。
この流れを踏まえると、今回の大会でも「知名度のある選手」が優勝する確率が高い。直近の優勝者たちは、ザ・プレーヤーズ選手権前の数週間で最低でもトップ21以内に入る成績を残していた。優勝するためには、実力があるだけでなく、直近のコンディションも万全であることが求められる。
コースとの相性が勝敗を決める
ザ・プレーヤーズ選手権の過去の優勝者を見ても、初出場で勝利したのはクレイグ・パークス(2002年)のみ。つまり、このコースでの経験が非常に重要。パークスの優勝は本人すら驚いたかもしれないが、彼が最後の3ホールを3-2-3で締めくくったシーンは忘れられない。このレベルのスコアを実現するには、優れたアイアンゲームが不可欠。
TPCソーグラスの攻略ポイント
このコースの最大の特徴は、「単なるショットの精度」だけでなく、あらゆる技術が試される点。選手たちは、まるで二重人格のようなプレースタイルを求められる。200ヤード以上のロングショットでパー5やロングパー4を攻略しつつ、425ヤード以下のパー4ではウェッジの精度が求められる。
毎年3月の優勝者は、アイアンゲームで少なくとも6ストロークをフィールドに対して上回るパフォーマンスを見せている。リーダーボードを見ても、アプローチの上手さが勝敗を決める要因になっていることは明白。TPCソーグラスは時代の変化に応じて微調整が加えられているものの、依然としてオールラウンドな試験場であることに変わりはない。
ティーショットの攻め方が勝負の分かれ目
これまでの優勝者たちは、あらゆるプレー要素において優れていた。特に、ティーショットで積極的に攻める選手がリードする傾向がある。このコースでは「とりあえずフェアウェイに置く」という消極的なプレースタイルでは勝てない。優勝を狙う選手たちは、自信を持ってドライバーを振り切る。
5,500平方フィートのグリーンは小さく、独特な角度で配置されている。ピン位置ごとに「狙うべきポイント」が異なり、精密なショットが求められる。ティーショットでグリーンに近づくほど、優位に立てる。
シェフラーは常に「優れたボールストライカー」と評されるが、過去2回のザ・プレーヤーズ選手権では、アプローチ周りで平均4ストロークをフィールドに対して上回っている。ショートゲームの重要性を見逃してはならない。
グリーンの状態と天候の影響
今週、日曜日と月曜日に降った雨について、多くのメディアが話題にしている。確かに地面は水分を吸収しているように感じるが、芝の表面は決して湿っていない。ここで思い出したいのは、TPCソーグラスのグリーンには「Precision Air」と呼ばれるシステムが搭載されていること。この技術により、管理チームはグリーンを自在に硬くしたり、温度を調整したりすることができる。これはオーガスタ・ナショナルのメンテナンスに匹敵するレベルであり、最適なコンディションを常に保つことが可能。
優勝への条件
過去の優勝者たちは4ラウンドで平均23回のバーディを奪っている。つまり、優勝スコア16アンダーを出すためには、ショートゲームの精度とコースマネジメントが重要になる。
ジャスティン・トーマスは、会見で「シェフラーのスキルの中で、最も盗みたいのは『ゲームプランを効果的に使う能力』」と語っていた。これは、かつてタイガー・ウッズが得意とした要素でもあった。エリートレベルの大会で勝つためには、単なるスキルではなく、メンタル的な試験をクリアすることが求められる。
スコアリングゾーンとリスク管理
TPCソーグラスには「スコアが出やすい」パー5が4つある。しかし、これはベイヒルと同じく、「攻めるべきホール」ではあるが、リードを広げる場所ではない。むしろ、パー3とパー4のスコアメイクが鍵となる。
スコアが左右されるレンジ
- パー3: 0-150ヤード
- パー4: 400-450ヤード
- パー5: 500-550ヤード
ティーショットでのミスが致命的な状況を生み出し、ダブルボギーの危険を高める。積極的な攻めとリスク管理を両立させることが勝利の鍵だ。