日本時間9月8日(日)、米・ラスベガスで開催される『UFCファイトナイト98』のメインイベントは、キャリア16戦無敗でフライ級5位の平良達郎が、同級1位のブランドン・ロイバルと対戦する。
平良 vs. ロイバルは実力派の一戦で競り合いが期待されるが、ロイバルのキャリアを通して真実だったのは、高いレベルのレスラーやグラップラーが彼の「ロウ・ドッグ」流のカオスを抑え込むと、通常その混乱を封じることに成功しているという点だ。
ロイバルはグラップラー相手に勝利した経験もあり、UFCデビュー戦ではアメリカのレスラー、ティム・エリオットを相手にアップセットを起こした。第1ラウンドのほとんどで抑え込まれながらも、見事に勝利した。しかし、2試合後にはよりスキルのあるブランドン・モレノと対戦し、グラウンドアンドパウンドで敗北(肩の負傷も影響)している。
モントーヤの教え子であるロイバルは怪我から回復後、『The Ultimate Fighter』で対戦したことがある現チャンピオンのアレシャンドレ・パントージャと再戦。試合を支配され、ディビジョン最強のグラップラーに完敗。再戦では以前より善戦したが、勝利には遠く及ばなかった。
その間、BJJスペシャリストのホジェリオ・ボントリンには勝利したが、8度のテイクダウンを許し、ボントリンを負傷させることもできず、UFCで初の判定勝ちを果たしたが、やや疑わしいスプリット判定だった。
ロイバルの派手な格闘スタイルは観客を魅了するものの、平良には、チャンピオンのパントージャと同様に、相手の混乱を制御する能力と意志がある。平良はアレックス・ペレス相手にやや苦戦したが、ペレスが負傷に見舞われ、平良も影響を与えた。ペレス戦は、平良にとってより難しいスタイルマッチアップだったが、それでも最終的に優位に立っていた。
平良は5ラウンド戦うのに最適なスタイルを持ち、両足とグラウンドでペースをコントロールし、攻撃する際は素早く、攻撃間に相手をしっかり制御する能力がある。 また、ポジショニングを活かして巧みに打撃やタックル、サブミッションの準備を整える。攻撃に転じるときには、スポーツ界随一のレスリング/グラップリング技術を駆使する。
間違いなく、平良にとってこれまでで最も危険な相手がロイバルだ。ロイバルは、試合を通じて相手をかく乱させる動きが持ち味で、フィニッシュを狙う機会を逃さない。しかし、パントージャとの再戦で守備的なグラップリング能力と立ち上がりの技術が向上していたものの、サブミッションを逃れるにとどまっていた。平良は、ロイバルが足をかけられる距離をキープし、「ロウ・ドッグ」が足技で攻められないよう、空手スタイルのレンジコントロールも巧みにこなす。
平良はロイバルと打ち合う必要性も感じず、距離を取りつつ蹴りでタックルのセットアップを狙うだろう。 ロイバルのキャリアテイクダウン防御率40%では、平良のタックルを止めることは難しい。
ロイバルは無理なスクランブルに突っ込み、上手くいくこともあるが、真の黒帯を持つ選手相手には、悪いポジションに陥りやすい。モレノとの初戦では、肩を脱臼する原因にもなった。
平良は現在24歳でプロとして無敗、UFCで6戦6勝を上げ、2年間で4つのフィニッシュを決めた。しかし、UFCでの3戦目以降サブミッション勝ちはないが、今度は変わるだろう。初期ラウンドでのロイバルのスクランブルが厄介でも、平良がポジションを譲ることはなく、第3ラウンドか第4ラウンドにはロイバルの動きを抑え、サブミッションを決める準備が整うはずだ。
勝敗予想オッズ
※選手右横の()内はブックメーカー「BeeBet」のオッズ(2024年10月12日7時58分時点)
メインカード
第12試合:
男子フライ級 5分5R – ブランドン・ ロイバル(3.30) vs 平良達郎(1.32)
第11試合:
男子ミドル級 5分3R – ブラッド・ タバレス(2.60) vs パク・ジュンヨン(1.48)
第10試合:
男子ウェルター級 5分3R – チディ・ エンジョクアニ(1.58) vs ジャレッド・ グッデン(2.35)
第9試合:
男子ライト級 5分3R – グラント・ ドーソン(1.23) vs ラファ・ ガルシア(4.00)
第8試合:
男子ウェルター級 5分3R – ダニエル・ ロドリゲス(1.45) vs アレックス・モロノ(2.70)
プレリム
第7試合:
男子フライ級 5分3R – C.J. ベルガラ(3.65) vs ラマザン・ テミロフ(1.30)
第6試合:
男子フェザー級 5分3R – ジョナサン・ ピアース(1.55) vs パット・サバティーニ(2.50)
第5試合:
男子ウェルター級 5分3R – テンバ・ ゴリンボ(1.28) vs ニコ・ プライス(3.75)
第4試合:
男子ヘビー級 5分3R – ジュニア・ タファ(1.30) vs ショーン・シャラフ(3.55)
第3試合:
女子ストロー級 5分3R – ジュリア・ ポラストリ(1.75) vs コーリー・ マッケンナ(2.10)
第2試合:
男子バンタム級 5分3R – ダン・アルグエタ(2.55) vs コーディ・ ハドン(1.55)
第1試合:
男子フライ級 5分3R – クレイトン・ カーペンター(1.47) vs ルーカス・ ホシャ(2.70)
※すべてのオッズはドローなしの場合
※選手の怪我や欠場により、対戦カードが変更される可能性があるため、最新情報は公式サイト等をご確認ください。
UFCファイトナイト・ラスベガス98の大会概要
- 大会名:UFCファイトナイト・ラスベガス98
- 会場:UFC APEX(アメリカ・ラスベガス)
- 開催日:日本時間10月13日(日)
- 試合数:12試合(プレリム7試合、メインカード5試合)
- メインイベント:ブランドン・ ロイバル vs 平良達郎 / 男子フライ級 5分5R